バットマン・タンデュなどで、

ア・ラ・セゴンド（横）に出した脚を
一番や五番ポジションに閉じる動き。

いつもレッスンで
出てきますよね？

この動き。
どの筋肉で行っていると思いますか？

見た感じ動脚の内転です。
だから…

「内転筋に決まってる！(`^´)」

と、思いました？

ぶっ、ぶー。

「解剖学でいうところの
内転だから内転筋！」

そう答えたくなる気持ちは
わかります。

でも、
はたして、
そうでしょうか？

たとえば、
デベロッペした後、

ゆっくり下ろしてくるとき。

重力で落下するのを抑えながら
ゆっくり下ろしているはず。

このとき内転筋を使ったら
ゆっくりではなく、
素早く下りてしまいますよね？

スピード違反です。笑

では、
このゆっくり下ろす動き。

どこの筋肉で
行っているのでしょうか？

先程、
「重力で落下するのを抑えながら」

と書きました。
この「抑え」をしているのは
外転筋です。

中殿筋（下図緑の筋）とかですね。_φ(･_･

内転筋とは真逆の筋肉です。

つまり、
デベロッペから
ゆっくり下りてくるとき、

・内転は外転筋で行う

となります。
なんか変？ (?_?)

いっぽう、
テンポが速い曲などで

素早く下りてくるときは
どうでしょう？

重力による落下では
遅すぎる。

そんなときは、
内転筋の力を借りて

重力＋内転筋

で素早く下ろします。

つまり、
素早く下ろすときは…

・内転は内転筋で行う

となります。
二つを併記すると…

・内転は外転筋で行う
・内転は内転筋で行う

真逆ですが、
どちらも正解となるし、

実際、
いつものレッスンで
行っていることになります。

では、
「ゆっくり」だけにして、

一番を通り過ぎて五番まで
深く内転する場合を考えます。

アラセゴンドから一番までゆっくり
下りてくる動きは外転筋でしたね。

つまり先述の、

・内転は外転筋で行う

です。

では、
一番を過ぎたらどうなるでしょうか？

重力は下向きですが、
脚の動きは水平～わずかに上昇です。

つまり、
重力はこの動きを助けていません。

ということは、
この内転の動きは
内転筋が行っていることになります。

つまり、

・内転は内転筋で行う

です。
二つを併記すると…

・内転は外転筋で行う
・内転は内転筋で行う

またまた真逆ですが、
どちらも正解となります。

さらに、
この領域で素早い場合を加えると、

五番に収まる直前で
動脚が軸脚に激突するのを防ぐため
動脚にブレーキを掛けます。

これは外転筋が行います。

ややこしいですが、
実際、
いつものレッスンで
行っていることになります。

解剖学講座などで

・内転は内転筋で行う

と学んだことがあるかも知れません。

ところが、
実際のレッスンでは
上記のように

・内転は外転筋で行う
・内転は内転筋で行う

と混在します。

解剖学が答えを提供していない
ことが分かりますね。

いや、
もう少し正確にいうと…

解剖学は
答えの一部しか提供していない

となります。
なぜそうなるのかというと、

解剖学には
時間と重さの概念がないから
です。_φ(･_･

（簡単にいうと、
死んでる、ということ）

ところが、
踊りでは
時間と重さをどうコントロールするか
がとても大事。

（生きてる、ということ）

こういうややこしさは
内転に限りませんよ！

内転がしにくいから、
内転筋を鍛えれば良い！

なんて思ったことはありませんか？

解剖学による単純化には
お気をつけくださいませ。(^^ﾒ

あ、
一応補足させていただくと、
上記は単純化して書いてます。
（単純化には要注意！_φ(･_･）

実際は
それぞれの境界は
明確ではないですし、
混在することもあります。

さらに、
これらを無意識的に使い分ける能力が
万人に生得的に最適化されているとは
言い難い。

さて、
このややこしさを応用して

アン・デ・オール（ターンアウト）
をどうやって拡げるか？

下記サロンで３人の講師から
聞くことができます。