飄々と語りながら見る見る振りを仕上げていくのが彼女のスタイル。
- 単に振りをどうこうということではなく、
- ちょっとした身のこなしに隠された動きの意図、
- ダンサー本人の心理状態、
- 何を表現しようとしているのか、
- ダンサー同士の関係性、
- 作曲家や音楽に対する造形の深さなど。
- その時々に必要な情報を瞬時に読み取って、作品を作り上げる指示を出す。
- それもユーモアを含んだ緩さを保ちながら。
以前にも、この調子で彼女が300人のダンス教師に振り付けていくワークショップを見学したことがあります。これはもう異次元。
最初はバラバラのピースを提示しているかのように思えた前半の振りが90分後には300人全員で一つの作品を披露している。受講生同士は殆ど会話をすることもなく、非言語的に振りが入り、お互いの役割、関係性が構築されていく。個のレベル高さ、それが集団で高まっていく高揚感。貴重な体験でした。
でも、この動画を見ても分かるのは、これが彼女の日常。日常の視点。地面の凸凹を気にして歩いている凡夫の頭上を飄々と飛び越えていくかのよう。
それが彼女を特別な存在にしているんだと思う。
スティーブン・マクレイにインタビューするあたりの茶目っ気もさすが。