■テクニックは「●」
バレエが上手になりたいと思った時、真っ先に求めるものの一つが
「テクニック」
・ピルエットで一回転でも多く回りたい
・完璧な180度ターンアウトがほしい
・脚を120度以上に上げたい
・空中で脚を2回打てるようになりたい
などなど。
これらに共通するのは
「数」
です。
足を上げる高さなら「60度より120度」
ピルエットなら「一回転より二回転」
と言った具合。
ピルエットは一回転より二回転、というのも上のテクニックを目指すからですね。※1
■テクニックの他に必要なもの
では、これらの
「数」
がすべて身に付いたら、
理想的なバレエが踊れるようになるのでしょうか?
おそらくは、ならないですね。
なぜなら、
つまり、「数」的には、条件を満たしてしまう。
もっと言うと、ロボットでも出来てしまう。
でも、バレエ的にはちょっと違いますよね。
優雅さとか、情緒性とか。
そう言ったものって「数」に表しにくい。
■あなたをジゼルに見せるもの
たとえば、ジゼル。
ジゼルの情緒性は、どこで決まると思いますか?
少なくとも、脚が高く上がる、ではないですよね。
沢山回れる、でもない。
テクニック的には、
衣裳はちょっと脇において、
もし、あなたがジゼルを踊るとしたら、
何を意識してジゼルを表現するでしょうか?
ここで登場するのが、、、
「ニュアンス」
です。
日本語で言う
「機微」
■「数」には表せない違い
ジゼルをジゼル足らしめている「ニュアンス(機微)」の一つが、
うつむき加減の項(うなじ)
です。
あの斜め下にうつむいた視線が、
他にも、たとえば、
腕を二番ポジションに置いたとして、
テクニックとしては、腕の二番ポジションですが、「ニュアンス(
逆も言えて、「ニュアンス(機微)」ができていないと、
■真似てはいけない「ニュアンス(機微)」
テクニック(数)ではないとすると、何をどうしたらこの
「ニュアンス(機微)」
が表現できるのでしょうか?
教師の動きを真似る?
いいえ。
以前、石島のブログ(バレエの学校)で取り上げましたが、
教師の動きを真似るレッスン
は、上達の妨げになるんでしたね。
伝統バレエを受け継ぐロシア国立バレエ学校もそうだし、
最新のダンス上達法を研究している国際ダンス医科学学会(
■「ニュアンス(機微)の学び方」
では、どうやってロシアのバレエ学校の生徒は
「ニュアンス(機微)」
を習得しているのでしょうか?
そこで必須となるものが
バレエ教授法です。
同じポジションなのに違う「ニュアンス(機微)」。
それを教えてくれるのが、バレエ教授法です。
ポジションの正しさだけに注目したら、
「解剖学的にどの筋肉にどう力を入れている。」
と解説できるかも知れません。
「バイオメカニクス的に角度がどうなっている。」
と計測できるかも知れません。
でも、「ニュアンス(機微)」の違いを説明するとなると、
途端に情報量が増えてしまうのです。
■あなたが学んでいないもの
海外のバレエ学校では、
ステップの行い方に加え、これらのニュアンス(機微)
ご存知のように、
その結果、「ニュアンス(機微)」
もしあなたが、
テクニックだけではなく、「ニュアンス(機微)」
「こんな感じ」
だけだったとすると、
■テクニック vs ニュアンス(機微)
テクニック(角度・高さ・速さ)を極めても「ニュアンス(機微)
「ニュアンス(機微)」を求めてもテクニックは向上しません。
両者をどう統合するかでバレエの表現力が決まります。
今あるテクニックに「ニュアンス(機微)」
ジゼルなら、ただのアラベスクから、
そんな体験をしてみませんか?
今回、「テクニック」と「ニュアンス(機微)」
作品はオーロラ一幕のヴァリエーションです。
興味ある方は、ぜひご参加ください。
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